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“芸は身を助く”   

「今日はいつもより涼しいですねえ」。デッキの上でいつもお会いする小柄な奥さんが声をかけてくれた。秋の気配を感じ始めた今朝の駅頭だ。
「いいねえ~っ!床屋いったのか?」。「あっ、ハァ~ッ」。6時半のおじさん、今日は、若者の間ではやっている帽子(ハット)をかぶり、元気よく出かけていった。
両国勤務のお嬢さん、シックな様相で現れ、笑顔であいさつをしてくれた。
と、そこへ、ん~~ん、かなり久しぶりに、オンリーワンのお兄さんがやってきたのだ。大きな通勤者の流れの中から、「おっ、元気でやってるな!」というような顔をして励ましてくれた。どういうわけだか、あの人と会うと元気が出るのだ。
そうこうしていると、最近よく話をするようになったヒゲのお兄さんがやってきた。夏の太陽で真っ黒に日焼けしたお兄さんは、石阪市長の居直り発言がとにかく許せないのだ。私も全く同感だ。「今朝の新聞で、横浜の中田市長まで、責任を取るべきだと言ってるのに、石阪市長はヒドイ!。公務員や会社員があんな事をしたら、厳しく処分される。その上に立っている人が、自分を律しないなんてどうなっているんだ!」。「本当にその通りです」。この市民の怒りを、私は、9月議会で市長に真正面からぶつけたいと思う。
で、新橋勤務のお嬢さんも、いつものようにイヤホーンを耳に当て、携帯でメールを打ちながらやってきた。「短くなりましたね、髪・・」。「そうだね。のび放題だったからスッキリと」なんて会話をしながら、彼女は、渡した田村智子さんのビラをかかえて、駅舎に消えていった。
夏休みはあっという間に終わってしまったけれど、みなさん、その余韻もないかのように通常の通勤スタイルに戻ったような気がする。
というわけで、昨日は夕方、行きつけの床屋さんに散髪にいった。お客さんがほかにいなかったので、すぐにお願いできた。ご主人の第一声は、やはり、「市長、まだ辞めないの?」だった。「ずいぶんしぶといよ」というと、「ん~~ん、そうか」と、困ったものだと言いたげだった。すぐに話題は、山菜採りの話になった。富士山によく行くらしく、結構美味しいキノコがたくさん採れるらしい。とはいっても、そこは富士山の樹海の中。時々迷うことがあるようで、ある時は、奥さんが、全く別の山道に出て、みんなとはぐれてしまい、通る車に手をあげても誰も停まってくれない。たまたま、休憩中だった宅急便のお兄さんに頼んだら車に乗せてくれ、難を逃れたそうだ。
床屋で働く職人さんは、半分が腕(技量)、もう半分が話術だという話をきいたことがあるが、きっと、奥さん、得意技でOKさせることができたのではないだろうか。
私の頭をご主人が刈っている間に、近所の年配のご婦人がお客として入ってきた。奥さんが2階から降りてきた。ご婦人の髪にはさみを入れながら、四方山話をリードしていた。
“芸は身を助く”という諺がある。意味合いがチョと違うかもしれないが、隣の椅子で、奥さんの流ちょうな話に耳をやりながら、そう思った。

by ken-tono | 2006-08-25 10:23

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