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「風邪引いちゃったの?」「ハイ」・・   

「あっ!」っと、寝坊してしまったことに気がつき、とにかく急いで駅に向かった。昨夜からズ~っと降っていた雨も上がったばかりという感じだった。駐車場に車をとめて、ハンドマイクやチラシ、ノボリのグッズを携え、駅の構内を抜けて間もなく着こうとしたとき、バッタリと会ったのが6時半のおじさんだった。「オ~ッ!」「あっ、おはようようございます」と、今朝は、瞬時の出会いだった。
トコトコ2人組の女の子、今日は1人ずつやってきた。最初に大きい子の方が、50メールぐらい遅れて小さい子の方が。んん??なぜ、別々なんだ?・・・と思いながら、小さい子をよく見てみるとマスクをしている。なるほど、風邪引いて移してはいけないと思い別々に、なんて想像してみた。「風邪引いちゃったの?」「ハイ」「早く直るといいね」「ハイ」・・と言いながら、後を追いかけるように駅に向かっていった。
ノボリを立て、間もなくしたら両国勤務のお嬢さんの姿が見えた。「雨が上がって良かったですよね」「あっ、そうですね」・・・と、今日も軽やかな足取りだった。
「市長のことで新聞に出ていたね。もっと、がんがんやってよ」「はい」。同じ団地に住むおじさんが握手をしてくれた。
ロッカー風のお兄さん、先週は会えなかったが、今日はちゃんと挨拶をしてくれた。
サングラスをかけ、上着を広げながらややがに股で歩いてくるスポーツ刈りのお兄さんがいる。いつも素通りなのに、今日初めて「いつも偉いねぇ!」とほめていただいた。やや強面の印象だったこの方が、まさか、こんな風に励ましてくれるとは思っても見なかった。思わず、「どうも、ありがとうございます」と初めて応えた。
で、新橋勤務のお嬢さん、今日もお母さんと一緒の出勤。笑顔でで出かけていった。
さて、風邪で具合が悪かった長男。前から予約を入れていた病院に行ったら、状態が悪いということで、急遽、点滴をすることになったと妻から電話が入った。ようするに、私に代わってほしいということだった。妻とバトンタッチした私は、お昼までの3時間、病室で長男の点滴のしずくに目をやりながら、読書をしながら見守った。
私が今日読んだ本は、熊谷達也氏の「まほろばの風」という時代小説だ。うとうとしながら読みふけっているとあっという間に時間はたち、長男の点滴も終わった。
3時間という時間をこんな風に使ったのは、長男が生まれたとき以来ではないだろうか。
スヤスヤと眠っている長男の顔を見ながら、あ~、あんなこともあったよな、なんて思い出したりした貴重な時間だった。

by ken-tono | 2006-12-15 18:36

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