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台風が来てなければ、今頃はA理容店でサッパリしていたんだよなと思った。   

「ど~お?」「え?スゴイよ!」
台風の雨と風が草木を激しく揺らしていた。
「どうなるの、高校は?」「警報が出たら休校じゃないの・・・」
長女は目を覚ましていたが、長男の方は布団をかぶったままである。
駅の宣伝に行くかどうしようか迷っている間に、ますます風雨が強くなってきたため、いま行くのは止めることにした。
妻が一足先に仕事に出かけた。
長女と私が朝ご飯を食べ始めたが、長男はまだまだびくともしない。
9時過ぎ、空が明るくなり、窓ガラスに日が差し始めた。
「よし、行くか!」
子どもたちにそう言って、支度を済ませ外に出た。
しだれ柳の大木は、何事もなかったかのように、まだ少し吹いていた台風の風をもてあそんでいるかのように、ゆらりと枝をくねらせていた。
案の定、駅前は空いていた。
車道に、どこから飛んできたのかわからない板が転がっていた。
市役所の防災課に電話をしてみた。「南地区の600世帯で停電がありまして、・・・」とこれまでの状況を教えていただいた。
風が強かったので、ノボリを立てるのを止めて、宣伝を始めた。
途端に強風が道路に並行しいて吹き始めた。高齢者の方がよろけた。この私でも、一瞬グラリとした。
以前、バイクで伊豆や千葉方面に出かけたとき、海風や山風のすごいのに驚いた経験があったが、あの時以来だった。
私は、台風がまだ完全に過ぎ去っていないので、足下に気をつけて出かけてください、と呼びかけた。
そして、労働者派遣法のことなどについて訴えた。
10時になっていたので、通る人たちの中にいつも見かける方はほとんどいなかった。
駅前の法律事務所のHさんが挨拶をしながら通っていった。
しばらく、風に抗しながらなんとか宣伝をすることができた。
そうだ、台風が来てなければ、今頃はA理容店でサッパリしていたんだよなと思った。
風はまだ吹いていたが、スッキリとした青空に変わっていた。

by ken-tono | 2009-10-08 17:40

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