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“カワタク”ならぬ“ヤマタク”   

沿道に残っていた雪はすっかりなくなっていた。
空は灰色のどんよりとした雲に覆われていた。
そのせいか、放射冷却にはならず先週に比べて寒さが緩んだ感じがした。
駅に着きスタンバイをした。
あっ!と思った。
一度車から降ろしたのぼりを忘れてしまったことに気が付いた。
事務所にリターンし、駅に戻った。
新宿勤務のおじいさんがやってきた。
そういえば昨日、S団地のそばで買い物袋を持って歩いているところに出くわして、手を振ったら気が付いてくれたのだ。
住んでおられるのがS団地と思いきや、そうではなくK都営住宅だった。
なるほど・・・。
「だから歩いてくるんですね」と。
「おれは足が丈夫だから、79歳になる今でも働けるんだよ」と。
そして、働いているのは新宿ではなく恵比寿駅前の高層ビルだったのだ。
以後名称を変更しなければならない。
「帰りに新宿によって昼ご飯を食べるんだよ」と。
そこでいつも見ているのが共産党の議員や候補者なのだ。
「田村智子(参院議員)さんとカワタクがんばっているよ」と。
ん、“カワタク”??
個性派俳優だった川谷卓三さんと間違えたらしい。
こちらの方は山添拓、“ヤマタク”である。
うっかり間違えたのだと思い、そっとしておき、「ありがとうございます」とお礼をした。
ちょうど入れ替えに、キックボードのおじさんが「よっ!」と言いながらやってきた。
バイオリニストのお嬢さんがやってきた。
ホルンのお嬢さんもやってきて、笑顔で通って行った。
豹柄ルックのお嬢さんは、今日も豹柄のブルゾンだった。
甘利大臣の辞任問題と安倍暴走政治について転換を訴えた。
宣伝も終わろうかというあたりになって、コンビニのそばでたばこを吸いながら聞いていたご婦人がツカツカと私のそばにやってきた。
ベレー帽をかぶったやや異風な雰囲気の方が話し始めた。
「私、50年程ローマに住んでいたんですけど、日本に戻ろうと思って帰ってきたの」と。
どうやら出身地は岩手県の宮古市で、東日本大震災の被災にあったらしい。
まずは今の日本の政治に対するご意見だった。
私の演説を聴いた後でだったが、甘利大臣の追及は早すぎたのではないかというのである。
ようするに安倍政権は大きな課題を抱えているのだからもう少し先でもよかったのではないかというのであった。
安倍政権に一定の評価をしているようだったが、その一方、「私が一番好きな政党は日本共産党ですよ」というのである。
「民主党などわけのわからない政党だ。(立場と政策が)一番明確でしっかりとしているのが日本共産党です」と。
「そくに、この方が大好きなんですが、何と呼んだらいいかわからなくて」と。
「シイ カズオさんですね」「そうそう」と。
長年、イタリアで観光ガイドの仕事をしてきたが、退職をしたので郷里の戻るという話だった。
気が付いたら20分も過ぎていた。
やや暖かい朝だった。

by ken-tono | 2016-02-01 09:03

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